一日フリーだったこともあり、昼から鎌倉散策をすることに。
事前チェックで気になっていた、卵焼き定食の老舗「おざわ」に向かうも、想像をはるかに上回る行列を目撃。
さらにその待ち列のほとんどが若い女子たちということで、泣く泣く作戦を変更することにした。
必ず再度訪店するので、許されたし。(乞うご期待・・)
というわけで、お腹はグーグー、頭は真っ白。
そこで偶然見つけたのが・・・
怪しさ満点のかつら小路の中へ・・そこに現れた鎌倉キネマ堂、中はもっとディープでマニアな空間だった・・
大通り沿いに面した、かつら小路。
細いその先には一体何が待ち構えているのか・・・
そして無事に帰ってこれるのか・・・
もし、これが夜だったら、ビビリな筆者はおじげついていたかもしれない。それくらい大人のディープな怪しさが充満するこのかつら小路。
親切にも看板が出ていたので、なんとなく扱っている食事を確認する。
ほうほう・・
この辺りでは、まぁ定番とも言える、名物しらすを使った老舗とでもいうのだろうか。
どんぶり、カレー、チキンライスにナポリタンなど、
昔ながらの喫茶店で提供されそうなメニューが目立つ。
そんな中でもオッと目を引いたのが、鎌倉しらすトースト。
なんでも数年前に話題になった映画、『海街diary』で取り上げられたとのこと。
うーん、迷う。
これも捨てがたいが、ランチでのこの量は少なさそうだし、王道のキネマ丼で攻めるべきか・・・
いやいや、やっぱり名物しらすトーストか・・・
と、自問自答を繰り返すものの、空腹で納得いく結論が出せないので、いざ店舗へ。
(とりあえず、現時点では看板の石原裕次郎はスルー)
ほほう・・怪しい。
こういった店舗、非常に興味をそそられるのだが、なんせ店内の様子が分からないので、
客層はどうなのか??(筆者は30代)
めちゃくちゃ混んでたりしないのか??
と、色んな心配が頭をよぎるも、おそるおそる怪しい扉を開ける・・・
席はテーブルが2つ、あとはカウンター(6席くらい)だけのシンプルな作り。
テーブルは無理をすれば3人以上でも座れるっぽい。
12時半に入店し、テーブルは埋まっており、カウンターは一人だったので、
そのままカウンターに着席。
そこで話を戻そう。
看板でチラ見した石原裕次郎、一体なんだったんだ?と思っていたが、
・・・店内を見て、あいた口が塞がらない、わず。
そうか、そういえばこの店の名前、
「鎌倉キネマ堂」である。
どーりで、なるほど。
昭和のスターが所狭しと並んでおり、見ているだけで飽きない。
高倉健に三船敏郎。
黒澤明に小津安二郎。
これでもかと並んだポスターや写真、キネマ情報の中に、
自慢のメニューがドン。
まさか扉の向こうがこんな世界になっていたとは。
人がいたので撮影は控えたが、これはほんの一部で、横にも裏にもキネマ尽くし・・!!
この昭和な力強いフォントに圧倒され(もちろんBGMは石原裕次郎)、
しばらくメニューを決めるのを忘れていた。
ここまでの圧倒的昭和感・・
ここのオヤジ、『海街diary』とか見たことあるのか??
と、ぬぐい去り難い余計なお世話が頭から離れず、ど直球で王道の、
キネマ丼(お新香、豚汁セット) 900円
にすることに。
ちなみに他メニューはこんな感じだ。
ランチタイムは200円でコーヒーをつけることができる。
他のお客が食後のホットコーヒーを注文したら、
「ごめん、お湯沸かしてないから時間がかかっちゃう・・・」と店主の一言。
泣く泣くアイスコーヒーに変えさせられていたのには、笑ってしまった(沸かせばいいだろ・・・)
この後も仕事が控えていたので、お酒はパス。
次回は、しらすトーストと名物しらす酒でも飲んでみよう・・・
いざ、ご対面「キネマ丼」 鎌倉の採れたてしらすが光る、豪華で昭和なランチ
店内には接客をする親父さんと、奥の厨房に女性、多分2名体制だったと思う。
この空間にこの空気感、それだけでお腹いっぱいなので、サービスの雑さはもはや目に入らないのであるが、
「お客さん注文したっけ?」
「ごめんごめん、注文なんだっけ?」
と、そんな感じのやりとりがありーの、
後からきた客の注文と混ざりーので、
食べるまでに一苦労。
決して愛想が悪い親父さんではないので、悪い気はしないが、
出来れば忙しくしていないときに、ハッキリと注文をする方が良いだろう。
そして、待つこと10分くらい。
さあ、待ちに待った昭和のど直球ストレート。キネマ丼のお出ましだ。
さすが湘南のしらす、一匹一匹がデカい。
その上にゴマがパラパラ。
しっかりと味が沁みているであろう、ほろほろのそぼろに、
粒状と細く切った2種類のタイプが楽しめるたまご。
その3つの真ん中には細い海苔が乗っかり、見て楽しい、嗅いでおいしい、上品な3色丼である。
別アングルの、どアップもご覧あれ。
どれどれ・・・
口を大きく開き、大胆に頬張る。
程よいしらすの塩分と白米。食べる前から知っていたが、やはり美味い。
しらすが大粒、そして量もかなり多いので、そんじょそこらのしらすとは存在感が全く違う。
おそるべし、湘南しらす。
ちなみにその量だが、この写真で判断していただきたい。
まさにしらすの壁。
白米の大海原を遊泳するしらすの群れに、ちょろっと醤油を垂らし、黙々と口に運んでいく。
そして、口の中が少し塩気で満たされてきたら、甘じょっぱいそぼろの出番。
とにかくふんわり、柔らかい。
味はそぼろそのもの。しかし、その柔らかさは老舗の成せるワザに違いない。
たまごは、まぁ、たまごだ。味けはそんなに無いタイプ。
そぼろと一緒に食べることで、よりマイルドになり優しい味になる。
しかし、筆者が正直一番驚いてしまったのが、この漬物。
これが本当によく浸かっていて美味しい。
野沢菜、白菜、きゅうり、沢庵・・・少量だが、そぼろとたまごが甘く広がった口の中に、心地よい塩分の刺激を与えてくれる。
だいたい定食で付いてくる漬物なんて、添え物程度で気合が入っていないケースが多いのだが、ここの漬物は一味もふた味も違う。
その姿は、さながら主役俳優を食う怪演を見せる、ジャックニコルソンのようだ。
一応、豚汁も付いてくるが、こちらは具も少なく味もそんなにパッとしないのが率直な感想。
本来の姿では無いのかもしれないが、主役の漬物、いや失礼、主役のキネマ丼を引き立てさせる役としては、その薄味が逆によかったとも言える。
何はともあれ、しらすを黙々と口に運び続け、あっという間に完食してしまった。
湘南のしらすはやはり格別に美味い。しかしながら、この店特有の何かがあった訳ではなく、ちゃんと美味しい素材を美味しく調理してくれた感じ。感動とまでは行かなかったが、こと漬物に関しては、新参者のお店では中々出会うことができないような、老舗の伝統というものを感じた次第である。
再訪は・・・もちろんしたい。
次回はしらすトーストかなぁ。でもその前に、『海街diary』を予習しなければ。
「OPEN」 「WELCOME」 「営業中」という3段構えの過剰アピールに見送られ、鎌倉キネマ堂を後にするのであった。
また会おう、石原裕次郎。
夜霧よ、今夜も、、、ありが、、とう (昼)
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鎌倉キネマ堂
●かまくらきねまどう
●神奈川県鎌倉市小町2-11-11 第一大谷ビル1F
●営業時間 11:45~19:00 (日曜営業、無休)
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