12月某日、鎌倉。
この日はいつにも増して冷え込んでおり、
冷たい風を防ぐべく、前かがみで足早に歩いていく。
こんな寒い日は、あったまるものが食べたいなぁ
そんな心の声を漏らしつつ、鎌倉御成通りの小道を散策。
すると視界に入ってきたのが、
こちら、ほり内という看板。
外観から想像するに和食系ではあるようだが、、、
一体何料理の店なのだろうか。
そっと、ほり内の窓を覗くと、、、
そこには蕎麦のラインナップ。
外で温かい蕎麦なんて何年も食べてないが、
しばらくぶりに食べてみようかな、、
あまりの寒さに、即決する自分。
そして、営業しているのかすら分からない暖簾をくぐり、ほり内の内へと入って行くのであった。
鎌倉御成通りの老舗蕎麦、ほり内へ初入店!圧倒的なコスパ!リーズナブルなメニューから、温かいとろろ蕎麦のおにぎりセットをチョイス
鎌倉駅西口を出て、御成通りの小道を進むこと2、3分。
こじんまりとした一軒家スタイルのほり内が、右手に現れる。
現在時刻は12時半。
平日のピーク時ではあったものの、
以外にも1番客をもぎ取る。
外からは中が全く見えないので、若干不安もあったのだが、
中は綺麗な蕎麦屋スタイル。
カウンターが数席と、4人掛けテーブルが2卓。
さらに、お座敷も用意してあるので、年配の方や子供づれの主婦も安心して活用できるお蕎麦屋さんだ。
早速メニューを見てみると、、
と、
まず、その安さに圧倒される。
観光通りではないとはいえ、店を構えるのは鎌倉駅近く。
いわゆる観光地価格という値段設定をする飲食店が多い中、まるで昭和から時が止まったような低価格っぷり。
550円〜750円ほどで手打ちそばを頂くことが出来る驚愕のコスパは、
牛丼屋の存在しないここ鎌倉において、懐事情の寂しいサラリーマンの絶対的な味方に違いない。
そんなお店のスタンスを感じ取ったところで、
何をチョイスするかだが、、、
基本的な構成としては、
・手打ちそば
・きしめん
・よもぎめん
の3種類から麺を選び、
それに合わせる汁を、定番メニューと季節メニューから選んでいく模様。
ただでさえ、冷たいせいろ蕎麦かカツ丼しか注文しない私にとって、温かい蕎麦をどう決めるかなど知る由もない。
好みの具材はキツネが好きだが、それは置いてないみたいだし、、、
てか、それはうどんか、、
そんなこんなで色々と迷ったが、
やっぱりたぬきでは芸がないと、
・とろろそば(温) ¥700
・おにぎりセット ¥150
のコンビでファイナルアンサー。
リーズナブルなのをいいことに、
おにぎりまで注文する、デブモードががもれなく発動中。
記憶にないくらい久方ぶりの、外で食べる温かい蕎麦、、、
果たして、一体どんな味なんだろう。
そして、、
それは私のカラダを温めてくれるのだろうか、、、
温かいとろみの効いたとろろ蕎麦&茶めしおにぎり!味玉までついた欲張りセットにも関わらず圧倒的なコスパに感無量
私が注文し終えたくらいから徐々にお客さんが入るようになり、
常連と思しきマダム集団が、
コチラの冷蔵庫からビール瓶を自ら取り出し、ぐびぐびと一杯やり始める。
割と自由な空気感。
気難しい職人気質の蕎麦屋ではなく、なんともアットホームな空間に心を和ませながら、
物理的に私を温めてくれる存在、
とろろそばとおにぎりセットの到着である。
自家製の手打ち麺の上に敷かれる、ふかふかのとろろ布団。
刻み海苔が両サイドを固め、ど真ん中にはうずらの卵が陣取っている。
とろろ&うずら。
この組み合わせがごくごく普通なのか、せいろ派の私には全く分からなかったが、
予想外の追加コレステロールに、デブ歓喜。
手打ち麺は少々平べったく、気持ち柔らかめだろうか。
強く箸で掴んだらちぎれてしまいそうな繊細さ、
そこに、普段のがっつり飯とは異なる上品さを感じる次第だ。
ウズラの玉子をときながら、
とろろと絡めて啜っていく、、、
あ〜、これは温まるぜ
ふわふわのとろろが温かい出汁を含み、
柔らかい蕎麦を抱きかかえながら、そのまま口へと入っていく。
ネギと海苔の香りも立ち、
目の前に広がる和空間。
想像以上に美味い温かい蕎麦に感動し、
尚且つ、とろろの仕事っぷりに驚きを隠せない。
そして感じる、、、年の瀬。
今年の一文字が「令」だとか、そんな茶番はどうだっていい。
しかし、温かい蕎麦を食べると、
今年も一年が終わるなぁ、、
と、なんだか感傷的な気持ちになってくる。
茶めしのおにぎりを頬張りながら、
絶妙な半熟加減の煮卵に食らいつく。
このセットで150円。
増税の波に真っ向から勝負した、店主渾身の一握り&一玉。
そんな愛情あふれる一品がコンビニより安いなんて、一体誰が想像できるだろうか、、
蕎麦の物理的温かさ、
そして、おにぎりの心的温かさ。
そんな、2倍!2倍!の温かさに、
高見山も腰を抜かすほどのコスパ飯。
最後は一味をぶっかけて、
体の内側からポカポカの総攻撃を仕掛けていく。
ズルズルすする時間、
それも気づけばほんの束の間。
あっという間にフィニッシュである。
ビールでほろ酔いマダムの相手をしつつ、
他の客の蕎麦を作りながら、
配膳、バッシング、会計まで一人でこなす店主。
そこまで働いておきながら、
圧倒的にリーズナブルなそば、ほり内。
そして、
おこずかいが減ったサラリーマンにも、
牛丼を知らない学生にも、、
化粧品を我慢している主婦にも、、、
皆に必要とされる存在、ほり内。
いつまでも愛され続ける地元のメシ屋として、
これからもあり続けて欲しい限りである。
次はセルフビール、やっちゃうか、、
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ほり内
●ほりうち
●住所:神奈川県鎌倉市御成町10-15
●営業時間:11:30~14:00
●定休日:年中無休
●2000円より、予約も可能(飲み物は別)
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